阿仏房尼御前御返事

 譬ば海上を船にのるに船おろそかにあらざれどもあか入りぬれば必ず船中の人人一時に死するなり、なはて堅固なれども蟻の穴あれば必ず終に湛へたる水のたまらざるが如し、謗法不信のあかをとり信のなはてをかたむべきなり、浅き罪ならば我よりゆるして功徳を得さすべし、重きあやまちならば信をはげまして消滅さすべし(1308頁)


 シロアリという虫は少しの隙からでも家屋に進入して来ます。ちょっとした油断が、家屋の被害を招くのです。


 立地条件にもよりますが、被害に遭いやすい家屋の例です。

  • 家の周りで植物を育てている。壁際に植木鉢を置き、毎日ホースで水やりをしている。
  • いらないものを屋外の家屋側に積み上げている。(不要になった木材・紙類等)
  • ダンボール箱を物入れにして屋外に置いてある。
  • 床下通風孔の前に、物を置いている。(物置・エアコンの室外機等)
  • 木部をコンクリートとかタイルで囲んでしまっている。(玄関周りの柱の下とかお風呂)

 要するに湿気があるとつきやすいのです(床下は乾いていても木部に湿気がある事も)。ダンボール・発泡スチロール(断熱材)等もこのんで喰害します。


 シロアリの種別はここではあまり関係ないので詳しい説明ははぶきますが、神奈川県以西の太平洋側に生するイエシロアリという種は、堅固なコンクリート構造の家屋にも侵入してきます。温度差、地震等による、目に見えるor目に見えない、ひび割れ部分等から進入してくるのです。これに、水分を補給できる場所(結露・水漏れ等)があるとどこでも喰害します。10階建てのマンションの1〜8階に駆除に行ったことがあります。


 お客様からは「これぐらいは大丈夫だとった。こんなものも食べるのですね」というをよく聞きます。生涯で何回も家を建築することはないにもかかわらず。家屋を守ろうという識が低い方が多いのが現実です。何事にも通じますが「これぐらいは」という、ちょっとした油断がいけないのです。見えないところから、大切な財産に被害を及ぼす事のできる害虫なのです。

現今の家屋でできることは?


 最初に紹介した悪条件を少しでも減らす事です。

  • 鉢植えなどは、家屋から離しておく。ホースではなくジョーロをつかう。
  • 屋外には物を置かない。おく場合には家屋との間をとる。(風の流れを作る)
  • 床下通気孔の前はあけておく。
  • 物を置くときは家屋から離す。

 これだけでも、かなりの予防対策になります。


 一番いいのは、5年ごとに予防処理を施すことです。被害に遭ってからでは、修理の必要が発生したりして、結局、高くついてしまうことが多いからです。人によってはアレルギー(特に化学物質アレルギーの方)に及ぼす影響が考えられますので、薬剤に天然の成分のものを使用したり、薬剤を散布しない方法もあります。特に、虫を麻痺させて駆除する薬剤は、頭痛持ちの方に悪影響を及ぼす場合があります。最近では、シロアリの成長を阻害して駆除するタイプの薬剤もあります。

シロアリの見つけ方

  • 玄関・勝手口・風呂の柱の下部をドライバー等で突いてみる。湿気による腐朽の場合もありますが軽く突き刺さるようでしたら被害の可能があります。
  • 床鳴りがする。体重をかけるとグッと沈む場所がある。座板の老朽化の場合もありますが、被害による可能が高いです。
  • 外回りから、基礎部分を見回してみる。特に物を置いている影の部分からシロアリが進入している場合があります。蟻道(ぎどう)といって、ストロー程度の太さの土を固めたものが、地面部分から立ち上がっているとシロアリです。床下からも同じように蟻道を構築して進入します。
  • 押入れの奥のかどなどに、土を盛り上げている。蟻土(ぎど)といってシロアリです。
  • シロアリは光に反応しますので、喰害個所に土を固めて光の侵入を防ごうとします。土があるはずのない所に土がある場合はシロアリです。

 シロアリはもともと、山林に生しており、倒れた木、枯葉等を土に返してくれる益虫なのですが、人間の開発等によって住処が減る一方で、現今の建築法からなる家屋環境に適合して害虫に転じてしまったものです。今でも山林にしかいない種もいます。このような害虫の例はたくさんあります(キクイムシ・ゴキブリなど)。まあ、もともと害虫という立て分けも人間の都合なのですが……。




 シロアリ駆除の仕事をしている男子部の方によるレポートである。御書拝読の参考にされたし。信の湿気を駆除するには、指導を受けることと、唱題しかない。