『マイティ・ハート 新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死』マリアンヌ・パール



マイティ・ハート―新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死


 アンジェリーナ・ジョリー主演で映画化され、1123日より公開中。

訳者あとがき(高濱賛)


 普通の精神の持ち主であれば、その悪夢など二度とい出したくもないだろうし、ましてや当時の経過を克明にたどり、本を書くなどということは考えられないはずだ。ジャーナリストとしての責任がそうさせたのか、その気丈さには舌を巻く。最愛の夫を殺された妻として、その悲しみや犯人への憎しみを彼女はどう克服したのだろうか。
「この悲しみに負けたら私は魂を失ったことになります。犯人たちを憎めば、夫と私を恐怖に陥れ、屈服させ、無力にしようとする彼らのう壷です。犯人を憎み、不幸をもたらした社会を恨み、人生を嘆くことのほうが本当は簡単なのに……。でも私は、父親の顔を見ることのなかった子を幸せにさせるために、この戦いに勝利しようと決めたのです」
 マリアンヌさんが夫に捧げた「A Mighty Heart」という本の原題はむしろ彼女自身にこそ当てはまるといっていい。
 読み進んでいくと、そのの強靭さは、彼女の信仰から出ていることがおわかりいただけるとう。落ち込んだとき、悲しみの極限に身をおいたとき、彼女を支えてくれたのは、18歳のときに入信して以来、ずっと信仰している教(創価学会インタナショナル)だったという。
 彼女は、米公共放送とのインタビューでこう述べている。
「このしい試練を通じて私に力を与えてくれたのは、教の叡智と識見でした」(アメリカン・パブリック・メディア「マリアンヌ・パールとの対話」2004年429日放映)