「教育のための社会」目指して 21世紀と教育――私の所感

 人間が人間らしくあること、本当の意味での充足感、幸福感は、“結びつき”を通 してしか得られない――ここに、法の“縁起観”が説く人間観、幸福観の核心があります。


 人間と人間、人間と自然、宇宙等々、時には激しい打ち合いや矛盾、対立、葛藤を余儀なくされるかもしれないが、忍耐強くそれらを乗り越えて、本来あるべき“結びつき”のかたちにまで彫琢し、鍛え上げていくところに、個性や人格も自ずから光沢を増していくのであります。


 そうした“結びつき”を断たれたならば、人間の魂は、孤独地獄の闇の中をあてどもなくさまよっていく以外にない。精神医学の言葉でいえば「コミュニケーション不全」というのでしょうが、この問題は、総じて人間関係が希薄化しつつある現代という時代がはらむ病理ともいえます。


【2000-09-29】