リーダーは現場に立て

「リーダーは最前線を走れ! 現場に立て!」
 それを忘れれば、人の悩もわからなくなる。そして、そこから、組織を蝕む官僚主義の悪弊が始まるのだ。動かぬ水は腐る。


【『新・人間革命』「羽ばたき」19/聖教新聞 2004-11-01付】


 家庭指導をしない幹部、個人折伏をしない幹部を絶対に信用してはならない。所詮、広布の労作を避ける腰抜けに過ぎないからだ。たとえ副会長であっても駄目だ。役に立たない。




 聖教新聞で連載中の『新・人間革命』に眼が釘づけとなる毎日である。わずか800字前後でありながら、毎回毎回に傑出した短篇小説の趣がある。その上、弟子である我々にとっては、単なる学会の歴史にとどまらず、信の王道・広布の将軍学・偉大なる人間学を教わっているのである。先生から直接、薫陶を受けることのできる我が身の福運に謝せずにはいられない。


「羽ばたき」の章は、“昭和47年7豪雨”の場面から始まった。日本を襲った豪雨は、東北と中国地方に惨禍の爪痕を残した。折しも今年は、10末に台風23号が日本を横断。過去最多の10個の台風が上陸した。今年の風水害で亡くなった方は既に220人を超えている。そして、1023日17時56分、新潟県中越地震が発生した。川口町では震度7を記録。長雨に祟(たた)られた直後だけに深刻な被害が出た。115日現在で、4万人以上の方々が非生活を強いられている。


「羽ばたき」の章が開始されたのは109日。震災のあった23日付では、被害の最も大きかった秋田に入られた模様が描かれている。何という不議! 日々、記される『新・人間革命』の文字は、そのまま被災者への黄金のメッセージとなった。そして、全世界の同志が、新潟に向けて、高らかに応援の唱題を始めた。


 新潟の同志よ、頑張れ! 負けるな!

『新・人間革命』

「長い人生には、災害だけでなく、倒産、失、病気、事故、愛する人の死など、さまざまな窮地に立つことがある。順調なだけの人生などありえません。
 むしろ、試練との明け暮れこそが人生であり、それが生きるということであるといっても、決して過言ではない。
 では、どうすれば、に負けずに、人生の真の勝利を飾れるのか。
 法には『変毒為薬』つまり『毒を変じて薬と為す』と説かれているんです。
 信によって、どんな最悪な事態も、功徳幸福へと転じていけることを示した原理です。これを大確信することです。
 この原理は、見方を変えれば、成幸福という『薬』を得るには、悩という『毒』を克服しなければならないことを示しています。
 いわば、悩は、幸福の花を咲かせゆく種子なんです。だから、を恐れてはなりません。敢然と立ち向かっていくことです。
 私たちは、の生命を具え、末法衆生を救済するために出現した、地涌菩薩です。
 その私たちが、行き詰まるわけがないではありませんか。
 人は、窮地に陥ったから不幸なのではない。絶望し、悲観することによって不幸になるんです」


【『新・人間革命』「羽ばたき」14/聖教新聞 2004-10-26付】

 川口は尋ねた。
「渡瀬君の家は、被害はどうじゃったんか」
「家も浸水でだめになりました。家財も、みんな流されたし……」
 川口は、渡瀬の話を聞き終わると、じっと彼の顔を見つめ、肩に手をかけた。その手に力がこもった。
「そうか。大変じゃのう。しかし、こけても、こけても、立ち上がる。それが信じゃけぇの。
 山本先生も配してくださっとるで。
 祈ろうや! 祈って、祈って、祈り抜いて、もう一遍、頑張ろうや!」
 力強い、気迫にあふれたであった。
 渡瀬は、それまで胸のなかで抑えていたものが、一気に堰を切ったように込み上げてきた。その目に、大粒の涙があふれた。彼は、をあげて泣いた。
 川口は、渡瀬の肩を揺するようにして語った。
「辛いだろう。でも、頑張り抜こうや。それが学会健児やないか。断じて負けるな!
 そして、すべてを勝ち抜いて、山本先生に、勝利のご報告をしようじゃないか」
 渡瀬は、何度も、何度も、大きく頷いた。
「はい。頑張ります」
 彼は、再起を誓った。真正面から、この問題に立ち向かおうとった。


【『新・人間革命』「羽ばたき」22/聖教新聞 2004-11-04付】

被災後も厳然と配達された聖教新聞

 自ら被災し、避生活を強いられるなか、我が同志が厳然と立ち上がり、聖教新聞の配達に懸命に努力してくださったことも、詳細に報告を受けている。
 私は妻とともに、その様子をうかがい、熱い涙があふれた。なんと素晴らしき学会精神か。なんとありがたき同志か。
 私は、偉大なる「無冠の友」に「本当にありがとうございます」「毎の戦い、本当にご労さまです」とから謝申し上げたい。


【第43回本部幹部会聖教新聞 2004-11-16付】


 これが、現場の力であり、現場の強さである。配達員魂に頭(こうべ)を垂れるのみ。新潟の一日も早い復興と、余震や雨による被害がないよう、被災者が風邪を引かないよう、真剣に祈って参りたい。