国益と民意


 何となく政治に閉塞が漂っている。新進党が結成された前後の躍動が懐かしい(笑)。あの頃は国民の間に、“新しい変化への期待”が確かにあった。10年を経過した今、「結局、自民党かよ」といったあきらめにも似た情と、生活による将来不安に駆られる現状となっている。


 そんな国民を尻目に、自民党の財政改革研究会(与謝野馨会長)が「消費税17%」説をぶちまかした。さしずめ、大きく言っておいて、小さく上げるつもりなんだろう。彼等の言い分は、「社会保障費(医療・介護)が現在の給付水準なら」という理由に基づいている。


 先日、竹中平蔵総務相がテレビで反論を述べていた。「消費税17%は、“景気がよくならない”という前提に立ったものであり、利上げではなく、マネー量を増やすの先だ」と。しかも、民間人ので提出されているが、実は官僚がでっち上げた作文とのこと。どうやら、なりふり構わず消費税をアップしたい向のようだ。


 日本の景気状況をわかりやすく言えば、「貿易ではしこたま儲けているんだけど、給料に反映されてない」ということになる。では、賃金が上がれば消費が喚起されるかというと、そうは問屋が卸さない。10年以上の不況下でリストラを経験してきた日本国民は、消費よりも貯蓄に精を出すことだろう。我が国の預貯金は先進国の中でも群を抜いていて、世界の半分以上を占めている。ここに目をつけたのが、ハゲタカ米国である。日銀にゼロ金利政策を続行させておいて、日本の預貯金が米国に流れる仕組みをつくった。現在までのニューヨーク相場の株高を支えているのは日本のお金である。


 大体だな、こっちの生活がよくならないのに、どうしてタダでアメリカの船に給油しなきゃいけないんだ? 国会で語られる国益と、民がどんどん離れていっている。政治の閉塞の元凶はここにある。議会制民主主義(間接民主制)の行き詰まりが露呈しているのだ。


 例えば、イラク戦争創価学会は反対している。開戦直後に、野崎副会長(故人)でアピールを聖教新聞に掲載した。殆どの学会員も同見のはずだ。ところが公明党は、「イラク戦争には参加しないけど、お手伝いはしますぜ」という法案に賛成しているのだ。明らかに民に反する政治判断である。


「用棒(日米安保)をしてくれている米国との付き合いがあるんで、仕方ないんスよー」とでも言えば、まだ可愛げがあるんだけどね。


 先の参院選自民党が敗北した理由の一つに、農民の民を無視したことが挙げられる。


 消費税をアップするのであれば、政権与党による経済失政の責任を取るのが先だ。税金は、無能な政治家に与える小遣いじゃないんだよ。