大連立構想再燃か…動揺する与野党 公明に焦り

 衆参ねじれ国会の打開を目指して、福田康夫首相(自民党総裁)が30日、民主党小沢一郎代表との党首会談に踏み切ったことにより、自民、民主両党の「大連立」構が再燃している。7参院選後、自民党中川秀直元幹事長や山崎拓元副総裁らが相次いでぶち上げた構だが、いざ現実味を帯びると与野党には動揺が走った。中でも「二大政党」の間に埋没しかねない公明党は焦りの色を募らせている。


「小沢氏のことだから何を仕掛けてくるか分からない。大連立や解散の話も出かねないので、しっかり気を引き締めなければならない」


 党首会談を控え、30日、国会内で開かれた自民党の臨時役員会で、伊吹文明幹事長は厳しい表情でこう語った。


 伊吹氏はこの直後、公明党北側一雄幹事長と会い、「小沢氏を穴から引っ張り出したのはいいが、福田さんが穴に落ちないようにしなければならない」と強調。党首会談直前にも首相に「新テロ対策特別措置法案以外の話はすべきでない」とを押した。


 党首会談が決まった直後から、自民党執行部には、公明党から不安のが次々に寄せられた。公明党細川政権以来、小沢氏に翻弄(ほんろう)されてきたからだ。加えて党首会談を軸に今後の国会運営が進むようになれば、公明党の存在が薄まることは確実だ。


 大連立構の旗振り役となったのは参院選後に読売新聞の渡辺恒雄・グループ本社代表取締役会長だ。自民、民主両党の幹部らに「自民、民主で大連立を組み、憲法社会保障改革などを一気に進めた上で中選挙区制に戻すべきだ」と力説して回ったとされる。


 これと連動し、中川、山崎両氏のほか、古賀誠選対委員長、武部勤元幹事長、中曽根康弘元首相らも相次いで大連立構に言及した。渡辺氏は福田政権樹立にも一役買っており、首相も「選択肢の一つ」と考えている節がある。


 ただ、大連立構は早期解散への流れを加速することにもなる。各小選挙区で自民、民主が対立した状態では連立協議を進めようがないからだ。党首会談後、首相は公明党太田昭宏代表に電話し、「解散についてはご配なく」と釈明したが、公明党の動揺は収まりそうもない。


 しかも首相と小沢氏は45分にわたり2人だけで会談しており、真相はやぶの中だ。首相は会談後、記者団に「政治情勢について一般的な見交換をした。だいぶ話ができた」と満足げに語り、大連立構についても「衆参分かれちゃった状況の中、何らかの工夫はしないといけない」と含みを持たせた。


 一方、小沢氏は30日夕の民主党役員会で「会談を拒否すればみなさんに迷惑がかかるので受けたが、大連立とか解散など政治的な話は一切なかった」と語った。周囲には「首相は弱り切って困り果てた様子だった」と漏らし、手応えをじた表情だったという。


産経新聞 2007-10-31】