衆院選、年内見送り=政治空白を回避−麻生首相が意向

 麻生太郎首相は28日、米国発の国際的金融危機の対応や景気対策を優先するため、次期衆院選の年内実施は見送る向を固めた。複数の政府・与党関係者が明らかにした。政府・与党内では、衆院解散・総選挙は「1118日公示−同30日投開票」との日程が有力視されてきたが、解散による政治空白は好ましくないと判断した。首相は30日にも追加経済対策を取りまとめた後、記者会見し、こうした考えを表明する。
 政府・与党内では解散時期について「1通常国会冒頭」や「2009年度予算成立後の4」との見方が出ているほか、一部には「年末解散−1下旬投開票」との見もある。首相は経済情勢や世論の動向などを見極めながら解散のタイミングを探る考えだ。 
 首相が年内解散を見送れば、早期解散を求めて国会対応で柔軟路線を取ってきた民主党が反発し、対決姿勢に転換するのは必至。新テロ対策特別措置法改正案や金融機能強化法改正案などの国会審議は不透明になる。
 首相が当面、解散を見送る向を固めたのは、世界的な株安や急激な円高を受け、景気の悪化懸が一段と強まっていることが背景にある。また、自民党の選挙情勢調査が芳しくないことも影響しているとみられる。
 こうした中、自民党4役の一人は28日午前、「早期解散論はもうぼろぼろだ」と述べ、解散先送りの流れとなっていることを認めた。また、石原伸晃幹事長代理はホームページで、「(首相の話を聞いて)11の解散・総選挙は先送りされるとの印象を持った」ことを明らかにした。同党内では、選挙事務所をいったん解約するなど「11選挙」を前提とした選挙態勢を縮小する動きも出始めた。
 早期解散を求めてきた公明党内では、解散見送りを容認する空気が広がりつつあるが、異論も残っている。これに関し、自民党大島理森国対委員長は同日午前、国会内で公明党の漆原良夫国対委員長に会い、首相が30日の会見に先立ち、同党の太田昭宏代表と会談する向であることを伝え、理解を求めた。


共同通信 2008-10-28】