問われる公明・山口氏の指導力 フラつく発言につのる不満 党内事情は?

 公明党山口那津男代表の指導力に対し、支持母体の創価学会などで不満が募りつつある。もともと「民主党寄り」とされる山口氏は14〜17日の中国訪問中に菅直人首相との融和路線をほのめかし、軌道修正を迫られた。公明党にとって来春の統一地方選は負けられない戦い。山口氏の揺れる発言の裏に苦しい党の運営事情が垣間見える。(赤地真志帆、佐々木美恵)


「先の臨時国会が終わった後も問責決議の効果は残る。対象となった閣僚が(辞職せず)開き直るならば毅然(きぜん)として厳しく対応していかねばいけない」


 18日、公明党本部で記者会見を開いた山口氏はいつになく厳しい表情で菅政権を批判した。


 これには事情があった。記者会見直前に出席した全国県代表懇談会で、地方組織幹部らの冷ややかな視線を感じ取ったからだ。


 山口氏は中国訪問中、同行記者団に「来年の通常国会臨時国会と必ずしも同じ対応をするわけではない」と発言。これでは先の臨時国会参院の問責決議を受けた仙谷由人官房長官らの続投を暗に認めたと受けとめられても仕方がない。直後から学会幹部らの不満が噴き出した。


 最大の理由は統一地方選だ。公明党にとって創価学会信者と地方自治体のパイプ役となる地方議員の存在は極めて大きい。来春の統一地方選には1589人の公認候補を擁立、さらに90人以上の上積みを目指している。過去2回の統一選は候補全員の当選を達成しており、今回も「完勝」が絶対的な目標なのだ。


 それだけに内閣支持率2割と低迷し、夏の参院選後の選挙戦で連戦連敗を続ける菅政権にすり寄ることは「自殺行為に近い話」(参院幹部)。創価学会地方幹部も「菅政権である限り、公明党民主党政権の連携はありえない」と断じる。つまり地方で支持を広げるには国政は野党に徹するしかないわけだ。


 ところが、東京大卒で弁護士出身の山口氏は理論家だけに理屈抜きの勝負にはなかなか挑めない。リベラル色も強く、かねて自民党よりも民主党にシンパシーを感じてきただけに、自民党も「山口氏はいつもフラフラしている」(参院幹部)と不信感を募らせる。


 公明党ベテランはため息まじりにこう解説した。


「山口氏は緻密なシミュレーションをする人だが、方向を定めず、あらゆる可能性を計算するから発言がややこしくなる。代表の発言は重いんだからもっと政局観を磨いてほしい」


産経ニュース 2010-12-19