祈りの効用

 人類の歴史の中でいろいろな宗教が生まれましたが、どの宗教でも祈りの儀式があるのは、宗教の枠を超えて、祈りの効用が人類に普遍的に意識されていたからに違いありません。あるいは、宗教そのものが祈りの効用を利用したともいえる面があります。教義だけで人を救済することは、いかなる宗教でもできなかったはずです。


【『人は何のために「祈る」のか 生命の遺伝子はその声を聴いている』村上和雄、棚次正和〈たなつぐ・まさかず〉(祥伝社、2008年)】


 著名な分子生物学者が書いた「祈り」本。批判力を培うためには格好のテキストだ。鵜呑みにする人は盲信、狂信の傾向を免れない。どの教団にいようとも。あらゆる角度から徹底的に誤りを指摘できる人のみが宗教の功罪を知る人であろう。ポイントは反証可能性だ。


人は何のために「祈る」のか 人は何のために「祈る」のか 生命の遺伝子はその声を聴いている (祥伝社黄金文庫)
(※左が単行本、右が文庫本)