錯視に脳を解く鍵がある

 ブラッドフォードは、目の錯覚(錯視)を起こさなかったのだ。


【『46年目の光 視力を取り戻した男の奇跡の人生』ロバート・カーソン/池村千秋訳(NTT出版、2009年)】


 ブラッドフォードは視覚障害の研究で必ず取り上げられる人物。生後10ヶ月で失明。1958年に手術を行い、奇跡的に視力を取り戻した。錯視とは脳による脚色である。視力は触覚によって補われており、我々は幼児期からトレーニングを積んでいる。つまり目は世界を「ありのままに見る」ことができないのだ。錯視とは物語である。そして物語とは因果を意味する。たぶん脳機能の本質はアナロジー(類推)にある。ここからどうやってマンダラ(シンボル)につなげるかが個人的な課題だ。


46年目の光―視力を取り戻した男の奇跡の人生