真言密教は最澄の法統を密教で換骨奪胎

 東大寺別当をかね、大僧正に補せられた空海は、最澄以上に官僚的な貴族僧で、彼が一宗として確立した真言密教の勢いは、高野山や東寺だけでは満足できず、日本天台の法城比叡山にまで深く食いこみ、『法華経』に帰依した最澄の法統を密教で換骨奪胎し、のちの日蓮を激怒させた。


【『鎌倉佛教 親鸞道元日蓮』戸頃重基〈ところ・しげもと〉(中公新書、1967年)】


 視点の高さが概念を変える。ただし法統は思想に非ず。もちろん真理とも関係がない。


鎌倉佛教 親鸞と道元と日蓮